僭越ながら、大津市薬薬連携の会にお招きいただき、服薬支援についてお話をさせて頂きました。私も、日々、患者さんとお話しする中で、毎日服薬を継続する難しさを感じておりました。そんな中、患者さんお服薬状況をお聞きして、ご意見を取り入れ生まれた服薬管理―ツールがお薬束®(おやくそく)です。このツールを通じて、様々なことを学ばせていただきました。ご出席の先生方からも、闊達なご意見を頂戴し、大変有意義な時間を過ごすことができました。
自己管理だからこそ、難しいこと
自己管理ができることと、継続することは別物であることに、今更ながら気づかされました。また、自己管理ができるからこそ、ご自身で選択(決定)するポイントが必要であることも知りました。更に、意識だけでなく、習慣化も大事。楽したっていいんだ。と、言うことにも気づかされました。貴重な機会をいただきありがとうございました。
薬袋は動いている!?
自己管理のできる方は、一包化薬でも薬袋のまま管理されていることが多いようです。また、その薬袋は、もらった時と比べ残り1週間ほどでは大きさがかなり変わり小さくなっています。そのうえ、設置場所から、飲むために引き寄せて、そのままだったり、横に置いて落としたり。。見失う状況を患者さんから教わりました。まるで、薬袋が生きているようです。
お薬束®の特徴は「充填が簡単」なこと
既存のツールとの違いは、充填時の手間が少ない事。薬包を巻いて、お薬束®本体に入れるだけ。1回分ずつ哉1日分ずつの充填は、自己管理できる方にとっては、できることをわざわざ整理することは億劫になられるようです。でも、毎日の作業だけに、便利に飲みたい思いもあるようです。
お薬束®(おやくそく)を通じて、経験できたこと
お薬束®を通じて、患者さんからいろいろな経験をさせてもらいました。空っぽになった、お薬束®(おやくそく)を自慢げ持参くださり、残薬確認がスムーズになったことや、ご家族さんから、「薬の用意をしなくなった。自分で用意してくれるので、声掛けと確認で済んでいる。」など、自助の範囲が広がったと喜んでいただいたり、玄関先で、残薬確認・充填、体調管理ができると居宅療養服薬支援ができたりして、お役に立てると励みになります。
自己管理から、介助・介護に移るポイントでツールの見直しを
この発表を通じて、自己管理支援の必要性と、介助・介護の変遷を通じて、服薬管理ツールの見直し、選択の必要性をお話しさせていただきました。自己管理ができる方には、より長くその状態を続けて頂きたい。また、介助・介護が必要になった時には、より患者さんのお世話に集中していただくため、服薬の管理の手間を少しでも少なくできればと願っています。管理ツールの使用者が変わるときも、ツールの見直しは必要だと思います。
最後に
このような機会を頂きました大津日赤病院薬剤部長上田豊実先生をはじめ、病院薬剤師会・大津市薬剤師会の先生方に厚く御礼申し上げます。発表につきまして、多くの方にご指導を頂き、誠にありがとうございます。このような服薬支援の活動にご賛同いただけますなら、ぜひ、お声がけください。服薬の自己管理に悩んでいる多くの患者さんに喜んでもらえるよう、お薬束®を含むツールの効果検証や普及活動ができればと考えています。